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くまの王国 (そのXI) 一曲目から降りる新曲。

こんな奉納演奏に限って、なかなかリハーサルをさせてもらえないもので・

今回も・結局、リハや曲決めをしようとも、

最後の最後までばたばたして何もさせてもらえず。

用意された幾つかの音色のみを頼りに本番に挑む。

演奏を始めると同時に勝手に動き始める指。

身体の芯が熱くなってくる。

来たな・・

境内の杜全体がすっぽりとドーム状になり、暖かい氣に包まれる。

以前、室生の龍穴神社で体験した時と同じような感覚に陥る。

木漏れ日はずっと鍵盤に落ち、

やがて身体がゆっくりと揺らぎ始める。

そのままししておくと椅子から落ちるんじゃないかと思う程、
前後横へ大きく揺れ始める。

長老が一生懸命誰かを招き入れているのに気付く。

訪れたのは熊野古道のハイカーの方達。

自分の音の流れる中、御社にお参りする姿にまるで映画のワンシーンを観ている様で思わず感動してしまう。

3曲新曲が降りた後・

そろそろと思い、私の熊野のテーマ曲「いのり」を弾き始める。

すると、集まりさえずり始める多くの鳥たち。

そのやさしい鳴き声とのアンサンブル。

一枚岩では、やはりこの曲でカジカがアンサンブルを仕掛けに。

大自然との一体感。

繋がった感を体中に受ける。

演奏中太陽は西に傾くも、光はずっと鍵盤に降り注ぎ、
一時間ほどのノンストップでの演奏。

参加された方も、それぞれが何かを感じられた様で、

演奏終了後、あちら・こちらでここでの体験談をされている方を目にする。

ある方などは、社の前の石畳で、
伎楽の舞人が踊っているのが観えたと・

お面の形や衣装の模様、
「青海破」など演目の名前まで語られる。

私は少しはその辺の知識があるので、それがどう言う物かがイメージ出来、実際それが実在する事も解かりましたが、

その方は伎楽には何の知識もない方の様で、そこまで性格に描写されるのに驚いたりしたり。

やはりここもチベットと何か縁があるのでしょうか・

右の社では日本の神様や村人達がそれに合わす様に太鼓や笛を叩いて踊っていたと・・

いずれにしても・大層神様達に喜んで戴けたと言うお話に、

今回実現させて戴いた全ての皆様に感謝。

片付けも終わり、ふと・空を見上げると、

あたりまえの様に光の輪が。

帰りの高速で私の同伴者が、

結構でかい光を放つUFOを観たと・

私は運転していてタイミングを逃す・・


何かをやり遂げた、充実した気持ちに包まれながら車を走らせ帰路に就く。


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2007/07/14

くまの王国 (その]) 時空を超えて集結させられた者達の集いが始まる。

境内を、ドームの様に包み込む杜から射し込む木漏れ日。

その光が・・

なかなかセッティング位置の決まらなかったシンセサイザーの鍵盤の上だけに、

見事に射し込み始める。

そして、

ぽっかりと・

頭上に円柱状の、

天と地を繋ぐ時空の扉が開いたのを感じる。


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2007/07/13

くまの王国 (その\) 大阪曾根崎ロータリークラブでの演奏も無事盛況に終え、
遂にその日はやって来る。

4月8日、
花祭り・お釈迦様の誕生日でもある。

言うまでもなく、全てが順行。

そんな中、シンセのセッティングの場所で、
大まかに本社殿に向かって左側・休憩所の軒の前と決めていたのが、

微妙な石ころの傾斜や不安定感でなかなか納まらない。

確かに・
こう言った類の奉納演奏では、多分に演奏位置というのが影響する。

一番その時の正解の場所が必ずある。

しばらくそんな事をしていると、
「ガチッ」っと音がして、スタンドの足が玉砂利のなかに収まり、

「ココ!」

明らかにこの場所でいい感じを受け、
即効セッティングが始まる。

そしてその微妙な場所がもたらす意味を、
その後思い知らされる事になる。

近隣の方をはじめ・
日本全国から集まられた100名足らず皆様。

遠方に住まわれている宮司様も来られている事を知る。

奉納いただいたお酒などをお供えし、
いよいよ平成のお祭りが始まる。

演奏直前に氏子総代でもある長老のお話。

この催しの実現にあたって甚大なる御協力を戴いた方で、

私もここに至るまで多くのお話を聞かせて戴きました。

その殆どが、一切外には出されていない封印された内容。

それは・

封印された熊野の歴史、

そして、それは封印された日本の裏世界の歴史にも繋がる。

それを、平気でケロッとして皆の前で話す長老。

でも・その話も、記録される事も外に出される事もなく・

境内に吹く心地よい風と共に消えていく。

その場に集まった方殆どが、

その内容をこれまでに知っていたか・感じられている方ばかりの様で、

私を含め・
誰に集められたかは知らないが、

必然的に集結させられた事に気付いている感が漂う。

空海も観たとも・植えたとも伝えられる、

南方熊楠が護りぬいた大楠の元での、

時空を超えた者達の集い、

「平成の祭」が始まる。


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2007/07/10

くまの王国 (その[) ツアー終了その日は、
いつもお世話になっている、本宮町湯ノ峯温泉「小栗屋」さんに宿泊。

普通なら、疲れ果てているはずの身体はますます元気に、

かなりの熊野の神様よりパワーを戴く。


翌日はお礼参りを兼ねて、

熊野本宮大社の奥の院、

玉置山とも夫婦神で繋がっていると言われる船玉大社にて奉納演奏。

ここは、あまり公には知られていませんが、

本宮での精神的な面ではかなり重要な場所で、

遥か太古には・

熊野の守護神スサノオが出雲よりこの地に幽閉された時に、最初に滝に打たれた場所でもあり、

あの・熊野を日本中に広めた一遍上人が・

熊野を訪れた時に熊野権現に出会い、

何日も修業をして悟りを開いた場所でもある。

発心門王子より急な坂を下ったところで、なかなか地図を見ながらでも辿り着きにくい様な所ですが、

私も最初に熊野に来た時にたまたま迷い込み、

それから10年振りの参拝・奉納演奏を果たす。

この日は一昨日の雨の影響もあり、そこそこの水の流れを観る事が出来ましたが、

伝説に残る滝など面影もなく。


ここより流れる音無川は、熊野川に流れ込み挟み龍となり、

その交差する所に、聖地大斎原(おおゆのはら)が存在する。

昔は・一月に一度、

この船玉より大斎原に向けて、移り行く魂の光が観られたと言う。

そんな・神聖なエリアである。


そこでの奉納演奏を終えて、

桜と天候と不思議な大自然からの恩恵・パワーを戴いた熊野ツアーより帰り、

一週間後に高原熊野神社の奉納演奏を控える。


その少しの間に、

大阪ロータリークラブでの演奏で新たな出会いを戴いたり、

カナダでの奉納演奏が決まったり・・。

いよいよ、その渦は本流の高原熊野神社奉納演奏へ!

2007/06/29

くまの王国 (そのZ)  そして、その熊野音詣は言うまでもなく・


安全祈願を願って、前夜祭の勝浦に入る前に立ち寄った聖地、
本宮 大斎原での参拝で、

彩雲が現れ、


翌日の太地町の梶取崎(かんどりざき)では、

音楽に誘われて何匹もの鳶が舞い、

しかも・鯨まで現れる。

昔は・この岬まで来る事もあったのでしょうが、

地元の方もここ何十年来初めて観たと言う、3頭のマッコウクジラ。

鯨が現れた時にのろしをあげたと伝えられる場所にしてはふさわしい出来事。

晴天にも恵まれ、

でも・本番中にその暑いほどの陽射しを遮る雲が・

演奏が終わると同時に再びかんかん照り。

全ての自然現象に感謝。

無事一つ目をクリアー。


その日の夕方の古座川町 一枚岩では、

天候がさらに私達に味方を。

凄い勢いで流れる雲は随分がんばってくれたに関わらず、

遂に本番一時間前に雨をもたらす。

でも・その雨が本番直前に見事に止む。

それは終演まで続き、

一枚岩の稜線が光を放ち、河原のカジカがアンサンブルに。

数百人の方々がひと時の幽玄に浸る。

町長さんまでも御参加戴き、

大きな岩を前に、

スケールの大きいダイナミクスサウンドを奏でる秘術を、大自然より伝授。


その夜は風雨が吹き荒れ、

明日の本宮町七越峯での演奏を危惧するも術もなく。

朝方まで続いた嵐は、日の出と共に収まり、

またまた・かんかん照りの太陽が・。


大峰奥駆け出口の七越峯の芝生は既に乾き、

朝方までの嵐は何もなかったかの様に。


大斎原に向けて奉納の音は、本宮町全域にたなびき、

遥か彼方下の熊野川に聖地大斎原を見下ろし、

ふと・空を見上げると、

天上には太陽の光の輪!

240度広がる熊野の山々のパノラマを目の前に、

多くの関係者の皆様の後押しと、大自然よりの歓迎に迎えられ、

無事、平成の新熊野三山での奉納演奏の終了。


2007/06/28

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